社会人・留学生の受入れ

二足のわらじの会

『二足のわらじの会』プロフィール

現職教員として教育研究科に在籍している人たちによって、昭和57年以来「二足のわらじの会」がつくられ、交流がつづけられています。

二足のわらじの会 会長
山本 信(スクールリーダーシップ開発専攻)静岡県立小山高等学校

「二足のわらじの会」は、各都道府県からの派遣、あるいは休職制度の活用などによって現職教員の身分のまま教育研究科に学ぶ者の集まりとして発足しました。これまでにも多くの現職教員の皆さんが、小学校・中学校・高等学校・特別支援学校など校種を超えて在籍してきました。現在では、教育研究科でともに学んでいる退職されたベテラン教員の方や、教育実践の経験をお持ちの方も多数参加されるようになっています。

本会の目的は、多数の教育経験を持った方々が、校種や教科、専門の枠を超えて情報交換をすることで、各自の研究内容をより深化させ、高度専門職業人としての見識を高める機会を提供することにあります。具体的な活動としては、教育研究科長や専攻代表の先生方をお招きしての懇談会や文集の作成などを行っています。教育現場の生の情報について大学院の先生方とも率直に意見交換でき、貴重な経験の場となっています。

また、他の院生とともに講義に参加し、研究活動を進めていくなかで、現場からの視点での分析・考察がとても重要な役割を担っていることも常々感じます。現職同士、腹を割って話すことができる人間関係が築けることは、大学院での生活をより一層実り多きものにしてくれると思います。

研究以外でも、例えば不安を抱える入学当初や単身赴任で心細さを感じた時など、「二足のわらじの会」が少しでもお役に立てればと思います。

安井裕也(教科教育専攻/国語教育コース)北海道登別青嶺高等学校

北海道からの長期派遣研修制度によって、昨年度から大学院生活を送らせていただいております。学校教育をめぐっては、従来の考え方の枠組みにとらわれることなく、時代の変化に対応した取り組みがますます求められています。こうした中でどのように生徒と向き合っていくかということについて、進むべき方向を何とかして見出そうと授業の課題や研究に励む毎日です。その授業や研究について、また日常生活までサポートしてくださる大学院の先生方や事務の方々のお心遣いによって、充実した日々を過ごしております。

最新の動向について学ぶことはもちろん、かつて学んだはずのことについて異なった角度から改めて深く理解するということもあり、大学院での学びはたいへん刺激的です。それを可能にしているのは、大学を卒業してすぐに進学してきた大学院生や他都府県からの現職経験のある先生方との密度の濃い議論の機会の豊富さです。

特に「二足のわらじの会」を通じて、小学校・中学校・高等学校などさまざまな校種での経験をお持ちの先生方との交流によって、教育に関しての実践を通じたさまざまな考え方や思いに触れることができます。これらが自分の思考の幅を広げることにつながっていきます。

3月までの「生徒を指導する側」から、4月からの「ひたすらに学び研究する側」へという立場の変化に、最初はうまく対応できないということがあるかもしれません。そんな時には、同じような戸惑いを克服してきた経験を持つ現職の院生からの助言が役に立つことでしょう。

学外においても、ふとした折に「二足のわらじの会」のOBの方から声をかけられたり励ましていただいたりすることもあり、つながりの強さをありがたく感じております。全国から集まった先生方と長期にわたって情報を交換し合い、学び合えた経験を、今後に生かしていきたいと思います。

和田真樹(スクールリーダーシップ開発専攻)岐阜県立揖斐高等学校

2年間の長期研修を命ぜられ、筑波大学での大学院生活を送らせていただいております。単身で研修に臨んだ先輩方が多い中、私自身は家族を伴い一家転住という形で研修に臨むことになりました。岐阜県の先輩教師・同僚教師には転住の際、全面的に後押ししてもらいました。言葉では表せないほどの「感謝の念」を2年間の成果として表す使命を感じています。

私自身の14年ぶりの学生生活、伴ってきた妻の茨城県での非常勤講師、3人の子どもの新天地での生活(つくば市の小学校・幼稚園へ通学通園)は当初、戸惑いの大きなものでした。精神的にも肉体的にも不安定になった時期もありましたが、支えあい乗り越えることで家族の「絆」を深めることができたと感じています。2年目の現在は生活にも慣れ、充実した生活を送ることができています。

大学院での学びは私自身に新たな視野を与えています。同じく教育研究科で学ぶ院生には優秀なストレートマスターが多く在籍し、年齢に関係なく学ぶ点が多くあります。「二足のわらじの会」を通じて知り合った現職派遣の方々とは、共通の「苦悩」を分かち合い話せる良い関係が築けています。これらの出会いは間違いなく一生の「宝」となるはずです。

大学の先生方には教師経験に偏った議論になりがちな自分を戒め、自らの幅を広げる助言を多く頂いています。時には自分の無力さに打ちひしがれることもありますが、全ては教員としての職能成長の糧だと捉え、この2年間で多くのことを吸収し、岐阜に恩返しができればと考えています。現職の教員が大学院で学ぶ、「2足のわらじ」を履くことの意義を強く感じながら、日々精進していくことで残りの大学院生活を充実したものにしていきたいと考えています。

齋藤眞弓(スクールリーダーシップ開発専攻)茨城県石岡市立府中小学校

大学院修学休業制度を活用し、2年間学校現場を離れて、教育研究科で学んでいます。教職に就いてから子どもたちと共に過ごした日々は、あっという間に34年間が過ぎてしまいました。昨年度から、定年退職までの4年間のうちの2年間を、大学院での学びの時間として得ることができました。大学院での学びを通して、これまでの実践の中にあった理論の裏付けを確認したり、理論の中にこれからの教育実践への期待を思い描いたりしながら、研究と実践の往還の景色が徐々に確かに広がって見えてきました。ストレートマスターの若者たちから大いなる刺激を受けながら、現職派遣の先生方とも交流を深め、学ぶ楽しさを味わえる充実した日々を過ごしています。修了後、大学院での学びを生かして教員としての集大成を具現できる2年間の勤めを果たしたいと願っています。